スペースX(SPCX)株は今週、上場時の公募価格135ドルを下回った。同株はナスダックでの過去最大級の上場デビュー後、200ドルを超える場面もあった。イーロン・マスク氏はこの下落を一蹴し、同社が最終的には地球そのものを上回る価値を持つとの見方を示した。

同株は6月に1株135ドルで公募され、過去最大の上場調達額となる750億ドルを集めた。その後、最高値から約3分の1下落した。株価下落を受け、空売り比率も急増している。

スペースX株価チャート

スペースXの強気な予測と下落する株価

マスク氏による強気見通しは、スペースX株の急落で今月、同氏の資産が数十億ドル減少した直後となる。マスク氏は起業家のピーター・ディアマンディス氏に、Xを通じて直接反応した。

ディアマンディス氏は、世界全体で所有している物質的な富は約600兆ドルに過ぎないと指摘。宇宙には同様の資源がほぼ無限に存在すると主張した。

マスク氏の試算もこの比較に基づくが、スペースXの具体的な目標到達が前提となっている。ただ、こうした主張自体は今回が初めてではない。マスク氏は今月初めにも、株価が公募価格割れとなる前から、スペースXの価値が地球を上回る可能性に言及していた。

スペースX株価

空売り筋へのマスク氏の警告

スペースX株下落に伴い、空売りポジションが急増した。空売り残高は約1億8500万株、発行済み流通株式の29%に達したと報じられる。

3週間前は約4000万株にとどまっていた。弱気派の売り建ては合計で約250億ドル規模となる。空売り筋はすでに約87億ドルの含み益を抱える。

急増の背景には、スペースXの歴史的IPOや、ドージコインをはじめとするマスク氏関連トークンの急騰もある。SNSでは空売り筋のアイビーリーグ出身者を揶揄する投稿が拡散。マスク氏もXで警告を発した。

ただし、その主張を裏付ける証拠は示されず、株価下落も止まっていない。

今後のスペースX株動向

同株は現在、最新のチャートで指摘された「フォーリングウェッジ」型の水準付近で推移している。このパターンは158ドル付近までの反発の可能性を示唆する。投資家は8月予定のロックアップ解除にも注目する。上場後初めてインサイダーが売り出せるタイミングとなり、新たな供給増加要因となる見通し。

スペースXは今週、スターシップのテスト飛行も中止した。自動安全システムが、複数のラプターエンジン点火失敗を受けてカウントダウンをTマイナス0で停止。マスク氏は2基のエンジン交換が必要と説明し、再挑戦は来週初めになる可能性が高いと述べた。

マスク氏は、今後モノやサービスの希少性は消滅するとの考えも示している。これは同氏の「豊かさ」に関する広範な世界観と連動する一説である。

ただし、そのビジョンはスペースXの目先の業績でまだ証明はされていない。一方、空売り筋はロックアップ解除前の弱気姿勢を崩していない。