ブレント原油は「戦争プレミアム」をすべて解消し、3月の高値約120ドルから本日水曜日には約72.25ドルまでおよそ40%下落した。原油価格は戦前のサポート水準へと回帰した。
この下落は、イランと米国の外交が停滞したことに続くもの。市場関係者は地政学的リスクから、需給や経済全体の見通しに焦点を移している。
ブレント原油、複数年レンジ内に回帰
週足チャートが全体像を示す。ブレント原油は、2023年後半から下降パラレルチャネル内で推移してきた。このチャネルが、2年以上にわたり戦前の相場を形作った。
このチャネルの上限は、2024年から2026年初頭にかけて4度価格を跳ね返した。各上昇局面ではこの上限で頭打ちとなり、原油はレンジ中央まで押し戻された。
その後、情勢が一変した。イラン・米国間の緊張激化でチャネルから急上昇。となる中、ブレント原油は104~114ドルの分布ゾーンに突入し、120ドル付近まで上昇した。

この上昇分はすべて消化された。週足チャートを見ると、ピークから40.02%下落。原油はおよそ60~72ドルの蓄積ゾーンへ押し戻された。
現在、このチャネル上限は価格直下に位置する。かつてのレジスタンスはサポートへ転換し、強気派がまず守るべき重要ラインとなる。
日足トライアングル下抜けでRSI売られ過ぎに
週足構造は下支えを示すが、日足は複雑な動き。モメンタムは原油に明確に逆風となっている。
ブレント原油は3月高値後、シンメトリカルトライアングルを形成。高値が切り下がり、安値が切り上がる中、108ドル付近に頂点を作った。
このパターンは下方へ推移。5月下旬、するなか、トライアングルを下抜け、急速な下落となった。

価格は、68~73ドルの戦前サポートゾーンまで戻った。この水準は紛争以前、1月・2月に土台となっていた。
日足のRSI(相対力指数)は30を下回った。2025年4月以来初の売られ過ぎ水準で、強いマイナスモメンタムを示す。ただし、こうした極端な水準は反発やもみ合いを先導するケースも多い。
原油価格の見通し、68~72ドルのサポートに焦点
2つの時間軸が1つの重要ポイントで交差する。週足上限、日足サポート帯、年初来安値から引く上昇トレンドラインが、68~72ドルで重なっている。
ブレント原油は約72.25ドルでこれらの重なりの頂点にある。トライアングル最大値幅は約29ドルで、100ドル付近の下抜けから71ドル程度が目標値。現在このターゲットまで値を下げており、下落余地はある程度消化された可能性。
この水準で反発すれば、戦前の下支えが維持され、6月に割れた80ドル台への回復も見込める。日足で80ドルを再び上抜ければ、弱気圧力も緩和される。
一方、68ドルを割り込むとこのシナリオは崩れる。次のサポートは60ドル付近の蓄積底で、その下にはチャネル下限が控える。
ファンダメンタルズ次第で方向性は変化する。米国在庫減少や供給に対する警戒は下値支え要因となるが、イランの新規原油ライセンスや戦闘リスク後退は上値を抑える要因となる。
このゾーンを維持できるか、60ドルに向けて下落するかは、今後の中東情勢のニュースと、需給両面の力関係次第となる。