NYMEX原油8月限終値:69.23▼2.69 26日のニューヨーク原油先物相場は反落した。ニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)のウエスト・テキサス・インターミディエート(WTI)で、中心限月の8月限の終値は前営業日比2.69ドル安の1バレル=69.23ドルとなった。米国とイランの戦闘終結に向けた覚書合意に基づくホルムズ海峡の通航再開を受け、供給網の正常化が進むとの見方が売り注文を牽引した。 相場を大きく押し下げる要因となったのは、中東からの原油出荷量が回復に向かっている実態を示すデータの浮上である。前日はイラン側による貨物船への攻撃事案が報じられ緊張が高まったものの、この日は一転して、遮断されていた海上輸送ルートの復旧を裏付ける具体的な動きが相次いで明らかになった。海峡の通航は完全な正常化には至っていないものの、サウジアラビアの主要港であるラス・タヌラ港からの積み出し再開や、ペルシャ湾からの供給能力が約75%の水準まで回復したとの報が伝わった。これにより現物需給の逼迫懸念が和らぎ、これまで価格を支えていた地政学リスクプレミアムが急速に剥落する結果となった。 当日の値動きをみると、原油輸送量の増加を示すデータを嫌気し、時間外取引から上値の重い展開が続いた。ニューヨーク市場の取引参加者が本格参入してからは売り圧力が一段と強まり、場中の下値は一時68ドル台半ばまで売られる場面が見られた。終値ベースとしても2月下旬以来、約4カ月ぶりに心理的節目である70ドルの大台を割り込んで取引を終えた。ただし、通常の取引時間が終了した後の時間外取引において、米軍がホルムズ海峡周辺で空爆を実施したとのニュースが伝わると情勢は再び緊迫。地政学的な供給障害リスクが改めて意識され、価格が一時70ドル台まで急反発するなど、引け後も神経質な展開がみられた。 市場関係者の間では、ホルムズ海峡を巡る物流の正常化プロセスが進展している一方で、引け後に伝わった米軍の空爆報道に代表されるように、地政学的リスクが依然として根深く残っていることが再確認された。供給回復への思惑と新たな戦闘リスクの双方が交錯するなか、週明け以降も各国の公式発表や中東の治安情勢を巡るヘッドラインに左右される不安定な相場環境が続く見通しだ。