Toby Sterling

中国の輸出規制、技術面での米国依存、欧州の半導体産業の構造的な弱さにより、同産業は「暗い未来」に直面している。欧州連合(EU)の資金拠出を受けた報告書が2日、こうした結論を明らかにした。

EU安全保障研究所と仏シンクタンクのモンテーニュ研究所がまとめた報告書は、中国による重要鉱物・磁石の輸出規制や台湾海峡での戦争リスクが、半導体供給に対する主要な脅威だと結論付けた。

さらに、設計ソフトウエアを含む技術面での米国依存や、米国が半導体製造装置大手ASML EURONEXT:ASMLによる中国向け輸出を阻止する可能性も、EUの脆弱性を増大させているとした。

米議会では、同盟国やその企業に対して米国が一方的に輸出規制を課す権限を与える法案が審議されている。

報告書の共同執筆者で、EU安全保障研究所の政策アナリストを務めるヨリス・テア氏はロイターに対し、「中国が依然として最大の脅威とみられるが、米国への依存は第2次トランプ政権下ではるかに大きな懸念になっているようだ」と述べた。

欧州委員会はEU半導体産業のてこ入れを目指しており、6月に「チップス法2.0」を提案した。

同案には、域内で製造された半導体の需要を高めるインセンティブが盛り込まれている。また、欧州委は供給網確保に向けて同盟国が協力する米主導の枠組み「パックス・シリカ」にも参加している。

テア氏は、中国に対抗するため同盟国と協力することに加え、ASMLが製造する半導体製造装置など、既存の強みを土台に影響力を高めていくことが、欧州にとって「唯一の実行可能な道」だと述べた。

同報告書は産業界、政界、学界の情報源に基づいたもので、欧州のエネルギー価格の高止まり、民間資本の不足、半導体を使用する産業の衰退といった要因が、同業界の競争力を損なっているとも指摘した。