米労働省が30日発表した5月の雇用動態調査(JOLTS)によると、求人件数は前月から9000件増の759万4000件と、2024年5月以来の高水準となった。ただ、採用は依然として低調で、労働市場が停滞状態にあることを示唆した。
ロイターがまとめたエコノミスト予想は730万件だった。
4月分は当初発表の761万8000件から758万5000件に下方改定された。
求人件数の増加は、従業員数10─249人の企業にほぼ集中した。従業員10人未満の小規模企業では13万2000件減少した。
求人件数は、卸売業で7万1000件、レジャー・ホスピタリティーで9万5000件、それぞれ増加したほか、建設業や製造業でも増加した。一方、ヘルスケア・社会支援で11万5000件、金融・保険で6万9000件、運輸・倉庫・公益事業では4万3000件、それぞれ減少した。
5月の求人率は4.6%で横ばいだった。
一方、採用件数は4万5000件減の517万件と、2カ月連続の減少となった。運輸・倉庫・公益事業で4万件減少したほか、建設業や卸売業も大きく落ち込んだ。採用率は3.3%と横ばいで推移した。
レイオフ・解雇件数は170万8000件と4万1000件増加したものの、依然として低水準にとどまっている。建設業、小売業、ヘルスケア・社会支援で大きく増加した一方、芸術・娯楽・レクリエーション、専門・ビジネスサービスでは減少した。解雇率は1.1%と、4月の1.0%から小幅上昇した。
自発的離職は306万5000件と、2万2000件増にとどまった。離職率は1.9%と横ばいだった。
失業者1人当たりの求人数は1.04件と、前月からほぼ横ばいとなった。前年同月は1.01件だった。
オックスフォード・エコノミクスの米国担当シニアエコノミスト、マシュー・マーティン氏は「労働市場は引き続き安定の兆しを示している」と指摘。「連邦準備理事会(FRB)当局者にとっては、インフレ目標と物価安定の確保が引き続き焦点となることを意味する」と述べた。
シティグループのエコノミスト、ベロニカ・クラーク氏は「5月の雇用の伸びが堅調だったにもかかわらず、採用率全体は横ばいとなり、民間部門の採用率が再び低下したのは驚きだった」と指摘。これは、5月のデータが下方修正される可能性があるか、または純雇用者数の伸び鈍化が5月後半の動きを反映している可能性があるとした上で「6月の雇用が軟調になることを示唆している」との見方を示した。