Akriti Shah Rashika Singh

米金融大手ゴールドマン・サックスは2日、欧州連合(EU)の経済成長を抑制している要因として、対中貿易の赤字拡大よりも、世界各地で中国に市場シェアを奪われている問題の方が大きいとの見方を示した。ただEUは対策として、米国型の包括的な関税には踏み込まないだろうと付け加えた。

ゴールドマンは、中国の製造業者が内需の低迷と過剰な生産能力に直面する中で外国市場への輸出を強化しており、それによってアジア太平洋、中南米、東欧の各市場で競争が激化していると分析した。

欧州中央銀行(ECB)は最近、域内の経済成長見通しを下方修正した。

ゴールドマンは「中国の輸出主導型モデルが欧州の成長を抑制する問題の大半は、貿易赤字自体というよりも、第3市場における競争に起因していると当社は推測している」と説明した。

ゴールドマンの推計によると、今年1─5月期に中国の対EU輸出は約16%増加した一方、EUの対中輸出は増加率が10%未満にとどまった。

EUにとって最も打撃が大きかったのは製造業で、特にコスト面で中国が優位に立つ輸送機器と工業機械でそうした傾向が顕著だったという。

資本財の輸出に占める欧州のシェアは2005年の54%から43%に低下した一方、中国のシェアは7%から24%に上昇。欧州への機械輸出は50%増えた。

ゴールドマンはEUの対中通商政策について、総じて放任主義的な姿勢から、対象を絞りつつも従来よりも強力な対応に移行すると予想している。

それでもEUが「米国型の包括的な関税」を導入する公算は依然として小さいと指摘。EUはレアアース(希土類)といった重要鉱物の主要市場へのアクセスを危うくしたくはないためだと説明した。