Sarupya Ganguly

ロイター調査によると、最近のドル反発の流れは次第に失速するとの見方が優勢となっている。原油価格の下落に伴ってインフレ懸念が和らぎ、米連邦準備理事会(FRB)の利上げ観測が後退するためだ。ただドル高が継続するとの予想もある程度の数に達している。

ドルは足元までに5月の安値から約4%上昇。米商品先物取引委員会(CFTC)のデータによると、ドルの買い持ち規模は2025年1月以降で最大になった。

米国の物価高や底堅い経済、6月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で年内利上げの可能性が示唆されたことなどもドルを支えており、金利先物市場では年内にほぼ2回の利上げが織り込まれている。

それでも6月26日から7月1日にかけて行われた今回調査で、外国為替アナリストはこうした市場の織り込みに反し、ドルはいずれ弱含むという、従来から維持してきた見解を変えていない。

予想中央値に基づくと、ユーロは9月末までに1.16ドルと足元から2%上昇し、年末1.17ドル、1年後には1.18ドルとユーロ高が進む見込みだ。

ラボバンクのFX戦略責任者を務めるジェーン・フォーリー氏は「FRBが最終的には来年中に利下げに踏み切る可能性があり、われわれはFRBについて市場よりもハト派的だ。現在の利上げの織り込みがはく落すればドル安要因になるだろう」と述べた上で、今後数週間は不安定なレンジ相場になるとの見方を示した。

今年の調査で概ね的確な予測をしてきた41人の回答者のうち、71%に当たる29人は、現在のドル買い持ちポジションは7月末まで維持されるか拡大すると答え、残りは縮小を予想した。売り持ちへの転換予想はゼロだった。

一方調査対象のストラテジスト70人中23人が、ユーロ/ドルは3カ月以内に横ばいか、あるいはわずかに下落(ドルがやや上昇)すると予想。この割合は前回調査時の約20%から高まった。

バンク・オブ・アメリカのFXストラテジスト、アレックス・コーエン氏は「われわれは最近予測を上方修正し、少なくとも第3・四半期まではドルがさらに値上がりするとみている」と述べた。

FRBによる年内3回の利上げを想定している同氏は「ウォーシュFRB議長のインフレに関する発言は、われわれの見解では明確なドル強気のシグナルであり、データもそれを裏付けている。他の多くのG10の中央銀行と比較して、FRBからはよりタカ派的な結果が得られると見込んでいる」と語る。

実際に欧州中央銀行(ECB)は6月の利上げ後、年内はあと1回しか利上げを行わないと予想されている。

シティバンクのG10FX戦略責任者を務めるダン・トボン氏も同様の考えで、今後数カ月でユーロが1.11ドルまで下落してもおかしくないとの見方をしている。これは調査の予想中央値より4%超も低い水準だ。

トボン氏は「大きなインフレの波が来るというのはわれわれのメーンシナリオではないが、もし(米国の)データに上振れのサプライズがあれば、さらなるタカ派的な再織り込みが進み、ドル高になる公算が大きい。逆にデータが予想を下回っても、織り込まれたタカ派的な見方がすぐに解消されるとは限らない」と指摘した。

円は今週初めに約40年ぶりの安値に沈んだ後、さらに1ドル=163円付近まで下落し、当局による為替介入の可能性が高まっている。

しかしストラテジストは、物価高止まりを受けて日銀が6月の利上げに続き、さらなる引き締めに動くとの見方を理由に挙げて、今後1年間にわたる緩やかな円の回復という見通しを修正していない。

予想中央値では、円は9月末までに159円付近、年末までに156円、1年後には154円まで戻す展開となっている。