Kentaro Okasaka
キオクシア( TSE:285A)は金曜日、日本北部の半導体工場で式典を開催する。AI投資ブームにより株価が急騰している同社は、次世代メモリの量産に向けた準備を進めている。
AIの成長は、キオクシアの目覚ましい立て直しを後押しした。同社はかつて、日本の半導体産業の苦境を象徴する存在と見なされていたが、今年の株価は7倍以上に急騰し、時価総額は2500億ドルを超え、トヨタ自動車 TSE:7203 を上回った。
かつて「東芝メモリ」として知られていたキオクシアは、2018年に経営難に陥っていた総合電機メーカーの東芝から、ベイン・キャピタルが率いるコンソーシアムによって2兆円(120億ドル) で買収された。
1980年代にNANDフラッシュメモリ を発明した同社は、メモリ価格の下落に翻弄され、ベイン・キャピタルは同社の上場計画を24年後半に延期せざるを得なかった。
AIブームの初期段階では、データ保存に用いられるDRAMメモリチップのメーカーが主な恩恵を受けると見られていた。特に、高帯域幅メモリ(HBM)の先駆者であるSKハイニックス KRX:000660 が注目されていた。
しかし、AIの利用が大量のデータを用いたモデルのトレーニングから、クエリに応答する推論へと拡大するにつれ、大容量NANDメモリへの需要が高まっている。
東京エレクトロン TSE:8035 に勤務していたコンサルタントの大山悟氏は、「半導体メーカーはDRAMを優先しすぎたため、NANDへの投資や開発を後回しにしてしまった」と述べた。
「彼らは現在のNANDブームに全く対応できていない。だからこそ、需要は現在キオクシア一社に集中しているのだ」と同氏は語った。
キオクシアは、カリフォルニア州に拠点を置くサンディスク( NASDAQ:SNDK)と共同開発した第10世代BiCSフラッシュメモリを、東京の北に位置する岩手県北上市の工場で量産する予定だ。
岩井コスモ証券のアナリスト、齋藤和義氏によると、同社はウェーハボンディング技術などの強みを活かし、NANDの性能と消費電力の面で競合他社より2─4年先行しているという。
キオクシアは、株式分割を検討しており、27年4月に始まる次期会計年度の早期に、 米国預託証券(ADS)を米国証券取引所に上場させることを目指していると発表している。
韓国のSKハイニックスも米国上場を計画しており、アジア企業がより豊富な資金源へのアクセスを模索する中、最大294億ドル の資金調達を目指している。
(1ドル=162.5500円)